家族サービスという言葉を意識するようになったのは、小学生の息子から言われた一言がきっかけでした。休日にゴルフの約束があると伝えると、息子は寂しそうな表情で、お父さんはいつも忙しいねと呟きました。その瞬間、自分が家族との時間をどれだけ軽視していたかに気づかされました。
それまでの私は、平日は遅くまで仕事をし、休日も接待ゴルフや同僚との飲み会で家にいることが少ない典型的なサラリーマンでした。妻も最初は理解を示してくれていましたが、最近では会話も減り、子供たちとも距離を感じるようになっていました。家族サービスの必要性を痛感し、生活を見直すことにしました。
最初に取り組んだのは、月に2回は家族全員で過ごす時間を作ることでした。近所の公園に行ったり、ショッピングモールで買い物をしたりと、特別なことではありませんが、家族と一緒に過ごす時間を意識的に確保するようにしました。子供たちは最初は戸惑っていましたが、徐々に喜んでくれるようになりました。
夏休みには思い切って3泊4日の家族旅行を計画しました。温泉地に宿泊し、子供たちと一緒にプールで遊んだり、地元の観光地を回ったりしました。普段はスマートフォンばかり見ている息子と娘も、旅行中は生き生きとして、たくさん話をしてくれました。家族サービスとして始めた旅行でしたが、私自身も心から楽しめました。
日常的な家族サービスも大切だと気づきました。子供たちの宿題を見てあげる時間を作ったり、妻の家事を手伝ったりするようになりました。特に夕食の準備を手伝うようになってからは、妻との会話も増え、家族の雰囲気が明るくなったと感じています。
家族サービスを続けて1年が経った頃、息子から嬉しい言葉をもらいました。クラスの友達に、お父さんは色々な場所に連れて行ってくれるし、一緒に遊んでくれると自慢していたそうです。その話を聞いた時、家族サービスは決して義務ではなく、家族の絆を深める大切な時間なのだと実感しました。
現在も月に数回は家族全員で過ごす時間を作っています。時には映画を見に行ったり、時には家でボードゲームをしたりと、内容は様々ですが、家族と向き合う時間を大切にしています。仕事の付き合いも大切ですが、家族との時間はそれ以上に価値があることを学びました。
家族サービスという言葉には義務的な響きがありますが、実際は家族全員が幸せになれる時間だと思います。忙しい毎日の中でも、少しの工夫と意識の変化で、家族との関係は大きく改善できることを身をもって体験しました。
