ダイエットという言葉が私の人生に本格的に登場したのは、出産後のことでした。妊娠中に15キロも体重が増え、産後もなかなか元の体重に戻らずに悩んでいました。鏡に映る自分の姿を見るたびにため息が出て、以前着ていた洋服も入らなくなってしまいました。
最初に挑戦したダイエット方法は、流行りの糖質制限でした。炭水化物を極力避け、肉や魚を中心とした食事に切り替えました。確かに最初の1週間で2キロほど体重が落ち、これは効果があると喜んでいました。しかし、2週間を過ぎた頃から体調に変化が現れました。頭がボーッとして集中力が続かず、イライラすることも増えました。
そこで次に試したのは、カロリー計算によるダイエットでした。1日の摂取カロリーを1200キロカロリーに制限し、スマートフォンのアプリで食べたものを記録していました。この方法は確実に体重は減りましたが、常に空腹感に悩まされ、食事のことばかり考えるようになってしまいました。
転機が訪れたのは、友人に誘われてヨガ教室に通い始めてからでした。最初は運動不足解消のつもりでしたが、週2回のヨガレッスンを続けているうちに、体だけでなく心の変化も感じるようになりました。呼吸を意識することで精神的に落ち着き、食事に対する執着も和らいできました。
ヨガと並行して見直したのが食事の内容でした。極端な制限をやめて、野菜を多く取り入れたバランスの良い食事を心がけるようになりました。白米を玄米に変え、揚げ物を控えて蒸し料理や煮物を増やしました。また、食事の時間もゆっくりと取るようになり、よく噛んで味わって食べることを意識しました。
ダイエットを始めてから8ヶ月が経った現在、体重は目標まであと3キロのところまで来ています。何より嬉しいのは、体重の数字だけでなく、体調が良くなったことです。朝の目覚めが良くなり、階段を上がっても息切れしなくなりました。肌の調子も以前より良くなった気がします。
この経験を通じて学んだのは、ダイエットは一時的なものではなく、生活習慣そのものを見直すことが大切だということです。短期間で劇的な変化を求めるのではなく、長期的な視点で健康的な体作りを目指すことが、結果的に理想的な体重維持につながることを実感しています。